税制改正

【10月の締めくくり】年末調整の改正とインボイス2割特例の終了。11月に向けてやること

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10月も終わりが近づいてきました。今月最後の記事では、経理ご担当の方がこれから動く2つのテーマ(年末調整・インボイス)と、11月2日の期限をまとめます。

今回のポイント

  1. 令和8年分の年末調整は、基礎控除などが改正され、12月1日施行の内容で計算する
  2. インボイスの2割特例は令和8年9月30日までの課税期間で終了。次の申告方法を決める
  3. 11月2日(月)に、社会保険料・労働保険料(第2期)・8月決算法人の申告がある

① 令和8年分の年末調整は、例年と違います

令和8年度税制改正で、次の3点が変わり、令和8年分の所得税から適用されます。

項目改正前改正後
基礎控除(本則)58万円62万円(合計所得金額に応じた加算あり。令和8・9年分は最大104万円)
給与所得控除の最低保障額65万円74万円(令和8・9年分)
扶養親族等の所得要件58万円以下(給与収入のみなら123万円以下)62万円以下(給与収入のみなら136万円以下)

改正の施行日は令和8年12月1日です。令和8年11月までの給与の源泉徴収は今までどおりで、令和8年12月の年末調整で、改正後の基準で年間の税額を計算して精算します。

経理担当がやること

  • 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」で、新しい様式・計算表を確認する
  • 改正を反映した書類は、12月1日前から提出を受けても差し支えないとされています(国税庁Q&A)。例年どおり11月ごろに配付・回収すると、間に合わせやすいです
  • 改正で新たに扶養控除等の対象になる親族がいる従業員には、「扶養控除等(異動)申告書」を出してもらいます(「異動月日及び事由」欄に「令和8年12月1日 改正」などと記載)
  • 給与計算ソフトが、改正後の「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」に対応しているか確認する
  • 11月分までの給与計算では、新たに対象となる親族を「扶養親族等の数」に含めない

注意点

  • 改正後の税額のほうが少ないと過納額が生じ、年末調整をした月の源泉所得税から差し引いて従業員に還付します
  • 令和8年11月30日以前に最後の給与を支払った方(退職者など)は、年末調整で改正後の控除等が適用されないため、確定申告が必要です
  • ひとり親控除の増額(35万円→38万円)は令和9年分以後で、令和8年分の年末調整には影響しません

② インボイス:2割特例が終了。次の申告方法は?

令和8年度税制改正で、インボイス制度の負担軽減措置が変わりました。

  • 2割特例(免税事業者がインボイス発行事業者になったとき、納付税額を売上税額の2割にできる制度)は、令和8年9月30日までの日の属する課税期間で終了しました。個人事業者は令和8年分が最後、法人は例えば12月決算なら令和8年12月期が最後です。
  • 個人事業者には、令和9年分・令和10年分限定の3割特例(納付税額を売上税額の3割にできる)が新設されています。法人は対象外です。
  • 免税事業者などからの仕入れの控除割合は、令和8年10月から70%に下がり、経過措置が2年延長されました(令和10年10月〜50%、令和12年10月〜30%)。

次の申告方法を決めるときのポイント

  • 選べるのは、一般課税・簡易課税(個人事業者はこれに3割特例が加わります)。試算して比べます。
  • 3割特例は、事前の届出が不要です。確定申告書に適用を受ける旨を記載します。基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円以下など、条件があります。
  • 卸売業・小売業などは、簡易課税のほうが有利な場合があります(みなし仕入率は卸売90%・小売80%)。多額の設備投資の年は、一般課税で還付になる場合もあります。
  • 簡易課税を選ぶには「簡易課税制度選択届出書」の提出期限に注意が必要です。原則は事前の届出ですが、2割・3割特例を使った課税期間の翌課税期間は、その申告期限までに提出できます。

③ 11月2日(月)の期限

期限やること
11月2日(月)まで社会保険料(9月分)の納付(末日の10月31日が土曜のため翌営業日)
11月2日(月)まで労働保険料の第2期分(延納している事業所)
11月2日(月)まで決算日が8月末日の法人の、法人税・消費税の申告と納付

※納付方法(口座振替など)や決算月によって期限が異なる場合があります(労働保険料は口座振替の場合11月16日)。

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設立したばかりの会社でも、従業員に給与を支払っていれば、年末調整が必要になることがあります。設立1年目から、給与計算・年末調整・消費税の申告方法といった「経理の型」をつくっておくと、創業融資の返済計画や毎月の資金繰りの見通しも立てやすくなります。会社設立から創業融資、月次の経理まで、岡村俊輝税理士事務所が一貫してサポートします。

ひとこと

年末調整は、毎年のことなので「いつもどおり」で進めがちですが、今年は改正があります。「困ってからではなく、困る前に」、10月のうちに準備を始めておくと、12月が楽になります。インボイスの申告方法も、有利・不利は事業の状況で変わります。

「うちの場合はどっちが得?」といった点は、お気軽にご相談ください。会社設立・創業融資のご相談も歓迎です。初回相談は無料です(横浜市の瀬谷区・旭区・緑区・泉区、大和市、綾瀬市を中心に、オンラインにも対応しています)。岡村俊輝税理士事務所まで、お気軽にお問い合わせください。

出典

※本記事は令和8年9月時点の情報です。

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